[アップデート] Amazon QuickSight に SPICE 容量超過時の自動購入オプションが追加されました

[アップデート] Amazon QuickSight に SPICE 容量超過時の自動購入オプションが追加されました

Clock Icon2023.11.22

いわさです。

今朝のアップデートで、QuickSight で SPICE の自動購入をサポートしました。

QuickSight ではデータ鮮度が重要なもの以外は、基本的には QuickSight マネージドなインメモリデータベースにデータを取り込み、分析を行うことが多いと思います。
この SPICE ですが、データソースから SPICE モードのデータセットへデータ取り込みを行う際に SPICE 容量を消費します。
SPICE 容量は QuickSight アカウント全体で共有された容量を消費するのですが、容量が足りない場合はデータセットへの取り込みに失敗します。

そのため、従来は SPICE の容量を CloudWatch メトリクスで監視したり、あるいはデータセット更新失敗時に管理者がメール通知を受けるなどで、SPICE 容量追加購入が必要なタイミングで管理者による手動での追加購入が必要でした。

今回のアップデートで実装されたオプションを有効化すると、SPICE 容量が足りなくなった時に自動購入してくれるようになります。
これによって SPICE の運用管理が楽になり、データセット更新に失敗する可能性を減らすことが出来ます。

SPICE 容量の自動購入を有効化する方法

QuickSight 管理者権限を持つユーザーで、管理メニューの SPICE 容量管理画面を開きます。
QuickSight アカウントを通してどの程度 SPICE を保持してどれだけ使っているのかが可視化された画面です。

追加の購入が必要な場合はこの画面で管理者が追加購入操作を行うのですが、次のように容量購入ボタンの右に「キャパシティを自動購入」というトグルボタンが追加されるようになりました。

こちらをオンにすると自動購入されます。設定は簡単でこれだけです。

なお、新規 QuickSight アカウントは自動購入オプションがデフォルトに有効になっているようです。
既存アカウントについてはオフでした。

自動購入オン・オフ時の容量超過時の挙動を確認してみた

SPICE 自動購入が「オフ」の場合

ちなみに、SPICE 自動購入がオフの場合は次のような動きをします。
先程の管理画面ではこのアカウントでは SPICE 容量を 11 GB 保有していることがわかりました。

次のように SPICE タイプのデータセットをどんどん作って SPICE を消費してみましょう。

上限を超えたタイミングで次のような表示となります。
11 GB の保有容量に対して 11.1 GB 使ってしまいました。

この状態でデータセットを追加しようとすると、次のようなエラーが発生します。

ACCOUNT_CAPACITY_LIMIT_EXCEEDED
取り込み中のデータがアカウントの現在の容量を超えています。
SPICE の容量を購入するか、不要なデータセットを削除して、領域を解放します。

画面に従って追加容量を購入すればまた取り込めるようにはなるのですが、現時点で最低限必要な分だけ少しづつ購入すると購入の手間が度々発生しますし、そうならないように大きめな容量を購入すると使っていない SPICE 容量についても料金が発生してしまうので悩ましいところです。

SPICE 自動購入が「オン」の場合

では、SPICE 自動購入をオンにしてみましょう。

まず、自動購入をオンにした時点で既に少し超過していた分が自動で追加購入されました。

この状態で先程取り込みに失敗したデータセットを再度更新してみると取り込みに成功しました。

自動購入されているかなと思い SPICE 容量管理画面を見てみると、なんとまだ自動購入されていませんでした。
画面メッセージによると、どうやら即購入されるわけではなく超過した容量は 1 時間以内に自動購入されるという仕様のようです。

30 分くらい待っていましたが自動購入されませんでした。
1 時間ほど経って改めて確認してみると、次のように自動購入されていました。
このように、購入までは少しタイムラグがあるという点は知っておきましょう。

[注意] 容量の自動購入はされるが、自動解放はされない

この自動購入オプションは不足した容量を自動購入してくれるのですが、自動で解放はしてくれません。

データセットでは更新方法によっては時間が経つとデータセットサイズが過去よりも減っていく場合があります。
追加購入した SPICE 容量は使用されていなくても料金が発生します。
そのため、不要な SPICE 容量については解放することで料金を抑制することが出来ます。

今回の自動購入オプションで SPICE を購入した後にデータセットを削除して空き容量を作りましたが自動解放はされませんでした。

解放に関しては従来どおり手動で行う必要があるという点を認識しておきましょう。

さいごに

本日は Amazon QuickSight で SPICE の自動購入が出来るようになったので実際に使ってみました。

特にデータセットを定期的に更新・取り込みしている場合は取り込み失敗要素には非常に気を使う点だと思います。
自動購入によって知らないうちに料金が発生する形にはなるのですが、データセット更新失敗の可能性を下げることが出来るので、必要に応じて導入してみると良いと思います。

ただし、自動解放をしてくれるわけではないのと、データセット更新は様々な要因で発生し得るので、引き続き CloudWatch などでの容量や取り込みステータスなどの監視は行ったほうが良いと思います。

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